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はじめに
今回は上腕骨近位端骨折のリハビリテーションにおいて何を考えてリハビリしているかについてまとめてみたいと思います。
今日はおおまかに上腕骨近位端骨折についてまとめてみます。
今後、保存療法なら〜、術後なら〜とそれぞれ分けてパートを分けて記載しますのでそれはまた次回ということで。
「リハビリテーションを行う前にこのブログを見れば最低限理解できる」
「患者さんが見ても少しは自分の病態が理解できる」
そんなブログを目指しています!
よろしくお願いします!
上腕骨近位端骨折の疫学
まずざっくり箇条書きで、
・高齢者に多い骨折で、発生頻度は全骨折の5%程度
・大部分が外科頸骨折で、転倒に伴う直達外力
・転位が少なければ8割が保存療法で良好な成績
・「骨片間に1cm以上の転位 and 45度以上の変形」 or 「最小限の転位」で症例の85%が後者
・分類にはNeer(ニアー)分類が広く用いられる
外科頸っていうのは下の図の部分ですね。
上腕骨近位端骨折の分類(Neer分類)
分類は必ず調べてカルテに書いていますが、
個人的にはNeer分類の2part骨折だからなんだとかいうよりその先が大事で、
「2partだったら保存でいいかな」
「でも骨折線的に不安定かな?保存か手術どっちがbetter?」
「2partといっても大結節?外科頸?」
分類して満足するのではなく、その先を知ることが絶対必要です。
その上でNeer分類を紹介していきますね!

以前、Neer分類で〜の人に対し保存的にリハビリを行なっていたのですが、
次第に内反変形してきてしまった症例がいました。恐らく固定しているとはいえ、腱板に収縮が入ってしまい筋肉によって内側へ引っ張られたのかなと思ってます。
画像上、アライメントが綺麗だからといって本当に手術が必要ないかはDrとしっかり話し合う必要はあるでしょう。
上腕骨近位端骨折の予後
一般的に言われている予後をまとめてみます。
- 3part骨折におけるロッキングプレートの術後成績は、自動挙上(ばんざい)125度(正常180度)
リハビリテーションに必要な運動学
肩関節運動時の大結節の軌跡
挙上可動域を獲得するために必須なのが、大結節をいかに肩峰下を通過させるかがポイントです。
そこで大事になってくる運動学の一つが肩関節運動時の大結節の軌跡です。
要はばんざいするときに、前からばんざいのときと横からばんざいするときで微妙に肩の動きが変わってきますよ〜ということです。
有名な図があるのですが、
・最大内旋位での屈曲挙上で通る前方路(anterior path)
・最大外旋位からの外転挙上で通る後外側路(postero-lateral path)
・両者の間を通る中間路(neutral path)
上記の通り、それぞれ大結節が肩峰下を通過する通り道に名前が付けられています。
名称を覚えるだけではこの知識を活かせないです!
勘違いしてほしくないのが、名前を覚えることが重要なのではなくて、
あくまで「どうすれば大結節が肩峰下を通過できるのか」を考えることが重要です。
下の図を見て欲しいのですが、

正直屈曲や外旋での外転なんかは、簡単に通ります。
内旋位での外転が最も通りにくく、これが通るくらい肩周辺の組織に柔軟性があれば挙上可動域は必ず拡大します。
内旋位での外転 肩後方組織の柔軟性はかなり必要
下垂位での内旋(1st内旋)で、手がお腹に付くくらい後方組織に柔軟性がほしいと考えています。
臼蓋と骨頭の接触軌跡
外転挙上(横からばんざい)における上腕骨頭と肩甲骨の関節窩が接する位置を測定した文献があり、それによると、

だらんと腕を垂らしている状態(無負荷)では、関節窩に対し骨頭は1.7mm下方にあり外転運動に伴って関節窩の中心に移動したと言われています。
さらに、3kgの負荷をつけると骨頭の下方への偏位は1.2mmであったとされています。
要は、腱板(SSPやISPなど)が作用すると骨頭が臼蓋に押し付けられるというだけです。
この研究を通して考えることは、
「肩関節が正常に動くためには、下方組織のゆとり(骨頭が臼蓋に対し下方に偏位するだけのゆとり)が必要ですよ」
これは確実に言えることかなと思います。
この2つの運動学から肩の後方と下方組織に柔軟性が必要なのは証明できると思いますが、
だからといって、前方組織をないがしろにしていいわけではありません。
以前にもお話ししたかもしれませんが、前方組織の滑走性が乏しいとlagが生じ(膝でいうextention lag)ばんざいがしにくくなります。
また、肩挙上時には多少の外旋も必要です。
結局は全部ですね笑
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