今回お話しする内容は、僕自身が学生時代〜社会人数年間ずっと悩んでいた疑問に対する結論を述べた記事になります。
「理学療法士としてキャリアを伸ばすなら修士や認定理学療法士を取った方がいいのか?それとも転職や副業に力を入れた方がいいのか?」
僕の中では既に答えが出ていて、結論から言うと
“「よっぽど将来的に研究職に就きたい」「〇〇の研究が大好きだから生涯その研究に携わりたい」このような確固たる意志がない場合は、資格をさらにとることはおすすめしない”
これが答えです。
修士・資格取得に時間とお金をかけるよりも、転職や副業・投資で収入の柱を増やすほうが生活の安定・年収アップに直結します。
多くの人がこれに当てはまると思うので、今回はそこを深掘りしてお話ししていこうと思います💪
はる坊
僕も“修士をとった方がいい”と思っていた時期はありましたが、
今は1mmも考えていません。修士や資格をとることを否定したいわけではないのでそこはご理解のほどよろしくお願いします!
目次
修士の取得ににかかる費用と時間
まず現実的なコストを見てみましょう💰
- 国公立大学院
- 授業料:約53万円/年 × 2年
- 入学金:約28万円
- 合計:約135万円(+学会費・研究費を含めると150万円前後)
- 私立大学院
- 授業料:100〜150万円/年
- 入学金:20〜30万円
- 合計:約250〜350万円(研究活動で400万円近くかかる場合も)
これに加え、学会参加費(年間5〜10万円)、英語論文の投稿費用(1本10万円以上)などがかかります。
つまり「修士を取る=数年間+数百万円の投資」が必要ですが、その投資がそのまま年収に反映されるかといえば…そうではありません😭
ただし、「絶対に臨床研究を極めたい」「大学教員を目指したい人」にとっては修士は必須ですし、むしろそういった人たちを心から尊敬し、感謝しています。
“ポスドク問題”という現実をご存知でしょうか?
📝 ポスドク問題
“大学を卒業して大学院に入って「修士」もとって「博士」もとった”
そういった人たちの働き口が少なく、貧困に陥る例も少なくないという現象。
教授や教員の枠はそう多くはないので、これは当然と言えば当然でしょう。
勉強ができる=お金持ち
この式が成り立たないことを示すいい例なのではないでしょうか。
認定・専門理学療法士を取得した先にあるものは?
認定・専門理学療法士とは、各分野のエキスパートであることを証明する資格です。
📍認定・専門理学療法士
認定理学療法士は臨床実践分野において秀でている理学療法士
専門理学療法士は学問的指向性の高い理学療法士
どちらも協会に入会後5年かけて登録理学療法士になった上で取得可能
理学療法士協会 年会費:18,000円
今まで、数名の認定理学療法士取得者を見てきました。
この資格があるおかげで年収が上がったという人とまだ会ったころがありません。
上がっても月数千円程度だと聞きます。
“その分野にある程度精通した理学療法士である証明” にはなりますが、“給与が上がるためのスキル” ではないことがある程度見えてきました。
経営陣からすると、正直なところリハビリテーション科に求めるのは “取得単位数” です。
どれだけ良質なリハビリを提供できたとしても、僕たちはあくまで “医療事業” の一部を担っている存在です。
病院経営からするとそのスキルがあるから何?というわけです。
もちろん、
“認定理学療法士が多く在籍する病院” “学術や研鑽を積むセラピストが多い病院”
このようにマーケティング戦略として利用することはできますが、それが直接理学療法士の給与アップに繋がることはないのが現実です😭
実際に資格がなくても転職によって年収アップは可能
多くの理学療法士は “安定した生活・収入” を求めています。周りで絶対に起業して一発当てるんだと言っている理学療法士はほぼ見たことないです。
もし、もう少し稼ぎを増やして生活水準を上げたいとなった際に有効なのは “転職” です。
- 病院勤務:年収350〜450万円
- クリニック・訪問リハ:年収400〜550万円
- 管理職・施設によっては600万円以上
転職だけで年収が50〜100万円上がるケースは珍しくありません。
しかも転職は “数ヶ月以内に結果が出る”のが大きなメリットです。
個人的には転職が当たり前のこの時代、たとえ理学療法士を続けるにしても年収500-600万円になるまでは転職を繰り返すべきなのではないかなと思います。
“転職活動” は行動するだけなら無料ですし、“ノーリスク・ミドルリターン” です。
少しでも現状を変えたい人は一緒に頑張って行動しましょう🔥
はる坊
転職は誰にでもおすすめの選択肢です
昇給を待つのも一つの選択肢、転職するのも一つの選択肢、僕は後者を選びました🏋️♀️
理学療法士が取るべきキャリア戦略
結論としては、次の流れが最も合理的です。
- 転職で年収アップし、生活基盤を整える
- 副業・投資に取り組み、収入の柱を複数持つ
- 研究や教育に強い思いがある人だけが資格取得に投資する
この戦略なら「短期的な安定」と「将来的な自由の獲得」を両立できます。
お金の名著である ロバート・キヨサキ氏の『金持ち父さん貧乏父さん』では、
「高度な教育を受け、一生 “労働者” として生きていく以上、自由は得られない」
このように述べられています。
経済的な自由を得て、自分の時間を作り出すには、
“何か事業を保有する” “投資によってお金を増やす” のいずれかが必要で、ようは経営者 or 投資家になる必要があるということです。
はる坊
僕は、ブログ執筆や他の副業で収入の柱を増やそうとしている段階です
まとめ|修士やさらに資格を求める際は慎重に!
- 修士・認定理学療法士の取得には150〜400万円の費用と数年の時間が必要
- 給与アップには直結しにくく、多くの人にとってはコストに見合わない
- 安定した生活・年収アップを目指すなら「転職+副業+投資」が最良の選択
- 本当に研究・教育職を目指す人だけが、修士・認定資格に挑むべき
冒頭でも言いましたが、決して修士や新たな資格を取ることを否定したいわけではありません。 むしろ取得しさらに勉強して患者さんをよくするんだというその心意気に尊敬すら抱いています。
ただ、「なんとなく修士があった方が将来安泰でしょ」「最終学歴をかっこよくするために修士課程に進もう」といった考えで大学院へ進学することは、全くおすすめしていません。
いわゆる学歴ロンダリングというやつですね。
なんにせよ、今持っているお金や時間をどう活かすか、これが将来に繋がってきますので検討されている方は慎重な行動をするようにしましょう💪
📚 参考
- 日本理学療法士協会「理学療法士白書」2023
- 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」2024
- ロバート・キヨサキ『金持ち父さん貧乏父さん』筑摩書房

