はじめに
今回はいつもと少し違う話し方になると思います。
というのも、「こんな症状の人がきた」時にどんなプロセスで評価を進めて治療を行うのかを自分なりに整理するための記事です。
ぜひその内容を参考にしていただければと思います。
まだまだ未熟ですので、稚拙な理学療法評価になりますが、温かく見守っていただけると幸いです。
よろしくお願いします!
肩甲骨背面の鈍痛
いつから痛いのか?
痛みが出てからの期間は必ず聞いています。
「今が急性期なのか」「1ヶ月以上経過しても症状が継続しているのか」
これだけでも対応は変わってきます。
例えば「症状が出て2.3日なんです」と言われて、じゃあ拘縮が生じていて。もっと動かしていきましょう!とはならないですよね笑
急性期であれば、炎症なのか違う病態なのかを把握した上で、RICE処置あるいは動かしていくのかを決めていきます。
長期間継続した疼痛であれば炎症は考えにくい。疼痛部位へのストレス軽減を図るにはどうすればいいか考えます。
急性期(痛みが出て間も無い) | 炎症 or 他の病態 |
慢性期(痛みが2週〜1ヶ月以上持続) | 疼痛部位にストレスが生じる要因がある 拘縮なのか隣接関節が硬いのかなど |
ざっくりこんな感じで考えてます。今回であれば5年前後経過しているとのことでした。
そこにある軟部組織は?
疼痛部位を聞いたら、そこに何があるかを考えます。
今回は肩甲骨背面だったので、ざっくり挙げると
- 棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、僧帽筋、広背筋、菱形筋、肩甲挙筋、前鋸筋
- 棘下筋下脂肪体、肩甲胸郭滑液包、肩甲骨ー僧帽筋滑液包、肩甲下滑液包
- 肩甲背神経
これくらいでしょうか。疎性結合組織というものも体の至る所にあるそうなので挙げれていない解剖組織もあるとは思いますが、、
またあれば教えてください!!


そこにある組織の痛みも見ずに、いきなり「首とか指先からきてる痛みだね」とかいう人は嫌いです。
今回であれば肩甲骨背面の痛みなのでまず上記組織を疑って評価を行いました。
その部位を支配する神経は?
肩甲背神経が絞扼されると、「肩甲骨内側縁あたりで位置不明瞭な鈍痛が出現する」と言われています。
その解剖は次のとおりで、
C5→中斜角筋を貫通→後頭斜筋・肩甲挙筋の間を走行し大小菱形筋を支配する
純粋な運動神経

ちょっと雑な絵ですが。。
以上を踏まえて評価に進みます!
評価項目
評価内容を以下に列挙してみました。
・静的アライメント(肩甲骨が過剰に外転や下方回旋してないか)
・肩甲上腕関節に拘縮はないか(棘上筋や棘下筋の拘縮の有無など)
・胸郭出口症候群の否定(adson、Root、moley、wrightsなどが陰性か)
・頚椎椎間関節症状の否定(spurling test、jackson testが陰性か)
・中斜角筋の圧痛とともに肩甲背部への放散痛(肩甲背神経の貫通部での絞扼)
・前胸部の柔軟性(肩甲骨が下方回旋や外転になる原因?)
・大・小菱形筋の筋スパズムの有無(ここが攣縮して痛みを出しているだけかも)
・圧痛はどこにあるのか、またはないのか
これだけ見れば、ある程度病態は絞れるのではないかなと思います。
慣れればもっと少ない評価項目で絞り込めるかもしれませんが、最初は色々とってみて解釈していくことをおすすめします!
病態解釈
これらの評価をした上で、結果は以下の通りでした。
・静的アライメント→肩甲骨外転、下方回旋(健側)
・Jackson陰性→椎間孔狭窄ではない
・TOSテスト陰性
・GHに拘縮もない
・圧痛:菱形筋、肩甲挙筋
・中斜角筋圧迫による放散痛は出ず
・肩甲骨を他動的に上方回旋や下方回旋するとゴリっと礫音
頸部から来ている痛みではない、肩甲骨周囲の滑液包での拘縮あるいは肩甲背神経由来の疼痛を疑いました。
反省点として、
肩甲背神経由来の痛みであれば、肩甲骨外転外旋、さらに頸部屈曲と肩甲背神経が最も伸張する肢位で疼痛が誘発されるか
これを見逃していました。エコーで覗いてみてもいいかもしれません。
神経由来の疼痛では必ずTinel徴候や伸張肢位での疼痛が誘発されます。
肘の内側とかぶつけたら指先までジーンとくるあれです。
次回から注意します。。
評価が全てです!丁寧に所見をとることを心掛けています!
最後に
今日の記事を書けたのも、やはり現場に凄い理学療法士の先生がいるからです!
自分で調べてまとめるのも素晴らしいですが、やはり他の先生の意見は非常に参考になります。この環境を手に入れたのは転職がきっかけでした!
これを機にどんどん理学療法士として成長してやろうと思っています。
やはり真剣に望んだ転職は自分にプラスの何かをもたらしてくれます。
これは誰でもできるし、さらに自身の現時点での市場価値を知ることが可能です。
その結果別に転職せずその職場に残るという選択ももちろんありですし、転職活動をするだけなら誰にも害を与えず自分にはメリットしかないです!
「転職に意味がある」というより、「転職活動に意味がある」ということです。
変わらないことはもちろん大事です。でも、変わろうとする思い、変わろうとする覚悟、一歩踏む出す勇気も大事なんじゃないかなと思います。
やるか今やるかです!
この機に一度転職活動をしてみるのはいかがでしょうか?
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