はじめに。
足の外側側副靱帯の損傷、その後不安定性が持続している患者さんを何人か担当させていただいておりまして、、
そこで今回は外側側副靱帯の解剖をしっかりまとめていきたいと思います。
痛みはないけど、筋肉痛のような症状がとれない、足がぐらぐらするといった訴えの患者さんが多い印象です。
リハビリでできることとできないこともあるのも事実です。
しっかり患者さんの病態を評価して、患者さんがどうするべきかまで提案できるように、一緒に勉強していきましょう!!
足関節:外側側副靱帯の解剖。
大きく分けて3つの線維束に分かれます。
・前距腓靱帯:外果の前方→距骨頸の外側部
・踵腓靱帯 :外果の下方→踵骨の外側面
・後距腓靱帯:外果の後方→距骨後突起の外側結節
・3つまとめて外側側副靱帯複合体と呼ばれる
基本的に外側側副靱帯を損傷するときは、内反強制によって発症します。
その中でも、一番最初に損傷するのは前距腓靱帯で、さらに外力が加わると踵腓靱帯が損傷します。
前距腓靱帯は距腿関節の関節包穂一部をになっているので、関節包靱帯と呼ばれます。
関節包の一部の関節包靱帯として捉えると、近位にある線維束(ATFL-s)は密な組織ですが、遠位の組織(ATFL-i)は比較的疎な組織です。
さらに遠位では滑膜性の関節包となり、後方(脛腓関節側)では後距腓靱帯と連続しています。
これらの靱帯のどこまでを前距腓靱帯と扱うかはまだまだ人によるそうでして、、
次に踵腓靱帯です。
ここでは文章だけとしますが踵腓靱帯の表層何が通過しているかというと。。
今の解剖図は深層の組織です。踵腓靱帯の表層には腱鞘(腓骨筋の)が存在し、さらにその表層に長・短腓骨筋腱が走行しています。
表層から皮膚ー皮下組織ー腓骨筋腱ー腱鞘ー踵腓靱帯の流れですね。
損傷の分類は次のとおりです。カンファレンスなどでぜひ使ってください!
外側側副靱帯の重症度分類:Beynonの分類
grade1…外側側副靱帯複合体の部分断裂
grade2…前距腓靱帯完全断裂かつ踵腓靱帯は正常
grade3…外側側副靱帯の完全断裂
こういう解剖を見ていると、静的支持機構と動的支持機構って似たような走行をしているのかなあと考えたり。。
解剖をもとに運動療法を考える。
今回の解剖からいつもどのように活かしているかというと、
術後の話になるのですが、やはり拘縮予防です。
自分の職場ではわりと頻繁に前距腓靱帯修復術をされています。
その術後リハビリテーションではやはり修復した靱帯にストレスを与えず、かつ拘縮を作らない、綺麗な底背屈を出していくことが大切です。
・修復しているのは前距腓靱帯だけなのか踵腓靱帯だけなのか。
・前方ポータル部で貫いている組織は。
・腓骨筋は足関節内反に対する動的支持機構、腱滑走維持。
何度もお出ししてすみませんが、
靱帯組織であれば4wは無茶させない方がいいかなと。
なので底屈で伸張されるATFLは4週いこうかなと。(Drに要相談)
底背屈であまり長さに変化がない踵腓靱帯は内反に注意してれば大丈夫かなと。
正直ATFLも一番伸張されるのは内反+底屈と言われているので、多少の底屈は最初から出してもいいのかなーなんて最近は考えています。。
先ほども説明したように、
CFLの表層には腱鞘や腓骨筋腱が走行しています。腱鞘や滑液包の周囲は拘縮しやすいので注意しましょう!
今日は解剖だけでしたが、また次の機会に運動学やその他の解剖も交えて話していきますね!