リハビリテーション

肩関節の小話。〜肩関節包の解剖や五十肩について〜

はじめに。

今日は先輩PTの話になります。

臨床中にとなりでリハビリしている先輩と患者さんの話をよく盗み聞きしてしまいます。

これが結構タメになる話をされていまして、、

今日は肩関節包の解剖学や五十肩について話されていたので、そこを自分なりの解釈も含め話していきたいと思います。

論文の話とかじゃないのでそこはご了承ください。。

肩関節包

先輩が解剖実習に行ってこられた際の話です。

ご献体の肩を使ってサイレントマニュピレーションをされたりしたそうで、

一番破れやすかった関節包の部位はRI(腱板疎部)のところだったそうです。

逆にそれ以外の部分は破れるとかはなく、そういう次元の組織ではなかったそうです。

ということは、後方や後下方の関節包は正直理学療法士が徒手的に操作を加えたからといってどうにかなるような組織ではなさそうだと結論づけておられました。

やるなら上腕三頭筋長頭や小円筋などをしっかり緩めたほうがいい成績が残せるだろうとのことでした。

このことについては以前にもご指導いただいたことがあり、関節包を最初から治療ターゲットにするのはナンセンスだと。

腱板の筋などが腱膜となって関節包に付着したりしている以上、筋緊張が高い状態でいくら関節包を狙ってもより筋緊張を高めかねないとのことでした。

これはどの関節においても同じ考え方ができそうです。

五十肩

五十肩について、よく巷で「勝手に治ることもあるよ」などと言われていることがありますが、

痛みがとれて勝手に治ったと感じる人もいるが実は多くが可動域制限を残したままに治っているのではないか、と推論を立てられていました。

これめっちゃ面白い考え方だなって思いました。

と同時に術後のリハビリにおいて可動域制限を残してはいけないなと再認識させられました。

痛みと可動域制限はときに両立し、ときに別物になるのかなあと。

「五十肩だからみんなにある症状だ。放っておけばよくなるだろう」という考え方は危険なような気がしてきました。

とは言っても、治ったの判定をするのは患者さんなわけで、、

患者さんが治ったと言ってしまえばそれまでなんですが。。

可動域制限が残ると代償運動というものが必ずと言っていいほど生じてきます。そのせいで普通なら使わなくでいい可動域まで隣の関節が頑張ってしまうという事象が生じます。

結果、痛みが生じるというケースを多くみてきました。

例えばですが、手を前に伸ばす時、肘が伸びなければ肩甲骨を前方に突出させて伸ばそうとしたり、歩行時股関節伸展が出ないことで腰椎の伸展をつかってしまったり。

これ全部代償動作です。学校でもう少し細かく教えて欲しかったです。

とまあ脱線しましたが、

動物はみんあ痛みが出ないよう動こうとします。その結果代償動作が生じ得ます。

PTとしては早めにその代償動作を見つけてあげて可動域制限となっているところをなんとか治して差し上げたいものです。

最後に。

どの関節でもそうですが、必ず痛みには原因があると信じています。

すぐに気持ちが足りないとか、筋トレをさせようとするPTはたくさんいますが、

これでは絶対痛みが取れません。断言します。必ず痛みは取れません。

まず問題となっている可動域制限の部位を特定しそこに対してアプローチを行う。

これの作業の繰り返しが、除痛につながると信じています。

どうしようもない場合は代償動作を使って硬い関節にストレスが生じないようにするという考え方ももちろん大事です。(たまに使います)

基本的には痛みの原因となる部位を特定することが大事です。。

ちょっとわかりにくい文章だったかと思いますがお許しください。

またいずれ画像などをつけて説明します。。