リハビリテーション

胸椎固定術後の運動療法について再考してみました。

はじめに。

今日は胸腰椎固定術の術後リハビリテーションについてしっかり考えていこうと思ってます。

術後に疼痛が改善する患者さんは比較的多いため、あまり深く考えたことのあるセラピストも多くはないのではないでしょうか。

自分自身そうでした。。

カンファレンスをきっかけに反省させられましたので、今後どのようなことを考えてリハビリしていこうかをまとめてみます。

よかったら参考にしてみてください!!

脊椎固定術とは?

固定術とはそもそも、関節の不安定性が大きく、関節そのものが痛みを出しているケースなどで行われる手術になります。

これは足における距腿関節などでも固定術が施行されることもあります。

これも全ての固定術に言えることかもしれませんが、

固定術の目的は神経組織の除圧と当該椎間の固定です。関節の固定確実にするには骨癒合が必要です。

破綻した関節の矯正を行い、固定し、骨が引っ付くのを待つというイメージでしょうか。

固定の本質はインプラントの設置ではなく、骨癒合の誘導です。

あくまで骨癒合が目的です。そこだけは間違えないようにしましょう。

固定術の最終目標はあくまで骨癒合。インプラントの設置ではない。

術前には関節の不安定性を示す評価が必要。

脊椎固定術の適応は?

腰椎固定術を考慮する代表的疾患として、腰椎すべり症、腰椎側弯症、椎間孔狭窄や椎間板症状があります。

実際には胸椎や腰椎の変性疾患のすべては固定術の適応となりうるそうです。

現在使用されている腰椎不安定性の放射線学的定義としては以下になります。

放射線学的 腰椎不安定性の定義

・腰椎側面像において前屈・後屈にて5mm以上のすべりを生じ、

 10°以上の椎体角の変化をきたすもの

※この画像上の不安定性が存在していても、不安定性によって惹起されうる

 臨床所見(腰痛や神経根症状)がない場合は固定術が必ず必要なわけではない

 むやみやたらに手術がしたいわけではない。あくまで手術は最終手段。

また固定術にはもちろんデメリットもあります。。

固定術のデメリット

・インプラント関連合併症

・固定隣接椎間障害(2〜3%/年)

・手術部位深部感染症

このあたりは理学療法士としても患者さんにしっかり説明できる知識が必要そうですね。

胸椎・腰椎固定術後のリハビリテーション。

まず考えるべきこととして、

固定術なので骨癒合をさせるということが大前提。

この人はX線やCTをみて骨がスカスカじゃないか。

胸腰椎を屈伸させて固定部位に不安定性を惹起させるストレスを与えないようにする。

この辺りをまず考えるようにします。

さらに、ルーセントラインで固定がしっかりできているかというのは見るべき。

以前にも説明しましたが、X線においてスクリューと骨の間に黒く抜けているような線状の像が見える時、これは固定がスカスカなことを指します。

ルーセントラインの有無は術後X線が撮影される度に確認しましょう。

もし固定されてたら、固定されている胸椎間で偽関節化してもワンチャン大丈夫な可能性。

ここは主観的な考えです。あまり参考にしないように。。

基本的に固定術後はもう動かさない。

胸椎の伸展や屈曲が出るようなことはしない。

隣接椎体が割れてしまう恐れがあるからです。

これはどの関節でも一緒で、固定術後そのボルトを抜かないなら一生あまり動かすべきではないと考えています。

まれに術後、背中にデルマトームに沿って、痛みや感覚鈍麻を訴える患者さんがおられます。

その場合、末梢神経ならデルマトームで何番の脊髄神経に当たるのか、そこは固定椎体の高位レベルは一致して出ているのか。はたまた末梢神経症状なのか。

これを評価していきます。

まあどちらにせよもう少し末梢神経の問題がないかは見るべき。

まずは術創部の末梢神経が問題になるかとも思うので、創部周囲の皮膚の滑走性がどうかつまめるくらいには皮膚が動いているかは必ず確認しましょう。

殴り書きですみません。。ざっくりこんなことを考えています。

正直理学療法士にできることは限られていると思います。

理学療法士にできること

・全身状態を落とさないよう体力維持を目的とした運動を促す

・術創部の滑走維持、改善

・固定椎体にストレスが生じないような動作指導

・術後X線の確認

最後に。

ここまで難しい単語も多かったと思いますが、僕は術後リハビリテーションを行う上でこのようなことを考えています。

僕自身ここまで考えられるようになったのも最近です。2年半働いてやっとここまでというところです。

少しずつ一緒に学んでいきましょう!!