はる坊です。
理学療法士としてのキャリアを重ねた後、医療機器メーカーへと転職しました。臨床と企業、両方の現場を知る元理学療法士が解説します。
今回の記事では「理学療法士が病院に対する貢献度」について解説していきます。
- 理学療法士ってどれくらいの収益を生み出しているの?
- なぜ理学療法士の給与は青天井じゃないの?
周囲の理学療法士から「理学療法士の給与はなぜ上がらないの?」という声が絶えません。
「なぜ理学療法士の給与が上がりにくいのか」「理学療法士はどれくらいの収益を病院にもたらしているのか」これらは医療従事者は知っておくべき内容です。
ぜひこの記事をきっかけに行動をしていただけると嬉しいです!
📍今回の記事でわかること
- 理学療法士が生み出す年間収益
- 理学療法士の給与が伸び悩む理由
はる坊
これは医療従事者全員が知っておくべき内容です!!
目次
【結論】理学療法士が「給与が上がらない」最大の理由は診療報酬制度の仕組みにある
理学療法士の平均年収は約420万円です。
この平均年収が上がっていかない理由は「診療報酬制度」にあります。
- リハビリテーション点数や1週間の取得単位上限が決まっている
- 年間5000単位程度が限界
このような状況から理学療法士が病院にもたらす年間収益も上限があります。
運動器リハビリテーションⅠの場合(参照:しろぼんねっと)
- 1単位=185点×10円 1850円
- 1850円×5000単位=9,250,000円
- 計画書代や単位の端数を足して約1,000万円
- 1,000万円から人件費や施設代などの費用を引いても3〜400万円程度の利益
ここでの強みとしては「安定感」です。毎年理学療法士1人あたり安定して3〜400万円の収益を病院に残してくれます。
事業における安定感というのは強みですし、経営者からすると収支を予測しやすいというのも大きな利点です。
ただし、理学療法士の視点からすると「なぜこんなに働いて自己研鑽して給与が上がらないんだ」と考える方も多いはずです。
それは病院に残している利益が一定だからです。病院や企業に残す利益の額で自身の給与は決まります。なので業界によって年収が決まるといわれているわけです。
学会発表、セミナー参加、触診の練習などはどれだけ頑張っても利益には繋がりません。これは紛れもない事実です。
だからこそ、「そこで培った技術を活かしてどう年収を上げるか」を考える必要があるのです。
はる坊
もちろん技術研鑽しないと患者さんを治せないことも事実です。
【数字で比較】理学療法士1人が病院にもたらす売上・年間貢献度
1日21単位でいくら稼げる?実際の年間売上シミュレーション
医療従事者は診療報酬点数を医療行為として取得することで、その点数分を収益として行政から病院に支給されます。(図1)
国民保険加入者であれば3割は個人負担、7割は国の負担というかたちになります。
そして、セラピストは1単位(20分)の診療報酬点数が定められています。
例えば、
- 運動器リハビリテーションⅠ…185点
- 脳血管リハビリテーションⅠ…185点
そして理学療法士が取得できる単位数は「108単位/週」です。
1日に直すと「20〜24単位/日」です。
そして1日に21単位取得した場合の、理学療法士1人あたりの収益は以下の通りです。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 単位数 | 21単位/日 |
| 単位点数 | 約185点 |
| 売上(1日) | 185点 × 21単位 ×10円= 38850円 |
| 月間(20日勤務) | 38850円 × 20日 = 770,000円 |
| 年間(12ヶ月) | 約932万円 |
ここにリハビリテーション計画書などを合わせて約1000万円の収益になります。
人件費や経費を引いた「病院に残る純利益」は年間300万〜400万円
理学療法士の平均的な年収を約430万円と仮定すると…
- 年間売上:1,000万円
- 人件費 :430万円
- → 粗利:約570万円
さらに病院(企業)は厚生年金や社会保険料の半分も負担しています。
570万円からさらに引かれるので利益は300〜400万円に落ち着くでしょう。
これが多いか少ないかは議論の余地が分かれるところですが、安定してこの収益を出せるのも病院から見ても大きな魅力でしょう。
年間300万円の純利益を生み出すPTが職場から評価される理由
リハビリ職は安定して年間300〜400万円の利益を出すことができるので、病院経営の視点からすると非常に頼もしい存在と言えます。
「300万円×理学療法士の人数」で概ねの利益が計算できます。
安定した利益ほど嬉しいものはありません。収益が読めない事業はリスクが高いとも言えます。理学療法士は「安定した収益を生み出す」点について自信を持つべきとも言えます。
この資本主義社会において理学療法士が職場から評価される理由は「安定した収益」です。
医師や患者さんからはリハビリのプロとして評価されますし、非常にやりがいのある職種といえます。
- 理学療法士1人辺りの年間収益は約1000万円
- 病院に残す利益は500万円程
- 安定した収益をもたらす理学療法士は経営視点からみても重宝される
なぜ知識や技術が向上しても理学療法士の給与は伸び悩むのか?
① 1日の取得単位・単価(診療報酬)に上限が存在するため
理学療法士の1日に取得できる単位数には上限があります。(24単位)さらに1週間では108単位までしか認められていません。
どれだけ働いてもその上限以上に稼ぐことは物理的に不可能ということになります。
収益が上がらないということは、病院側も理学療法士に給与で還元しづらい状況ということです。
さらに、この診療報酬点数が年々増加すればいいのですが、そうもいきません。
- 2006年(リハビリ点数導入時):170点
- 2026年 現在:185点
20年間経っても15点の加算だけです。150円のUPです。もっと加算されれば給与も上がるのですが…
診療報酬点数は大幅に上がらないのが現状です。
② 他業界(医療機器メーカー等)の営業収益・給与構造との違い
例えば医療機器メーカーの構造を簡単に説明してみます。
医療機器メーカー(整形外科)の製品群は医療用カメラ、人工関節、外傷用プレート、アンカー、糸などが主な製品になります。
原価率はかなり低いことが予測されます。もちろんそこに人件費や車代、輸送費などのコストは生じてきますが、それでもかなりの利益を残すことができます。
そして営業一人当たりの予算は数千万円〜数億円です。
1人で稼いでくる額の桁が違うことがわかると思います。
- 理学療法士1人の年間収益:1000万円
- 医療機器営業1人の年間収益:1億円
「稼ぐ額=給与」です。
もし自身の給与を上げたいのであれば稼げる業界に転職することを視野に入れましょう!
- 理学療法士は物理的に稼げる額が決まっている
- 医療機器メーカーと理学療法士は稼ぐ額が異なる
はる坊
とはいえ、あくまで「お金」の話です。理学療法士の仕事にしかないやりがいはあるので、どちらをとるかは価値観次第です!
「市場価値」を正しく評価される環境へ!年収アップの選択肢
「理学療法士としてスキルや経験を蓄積しているのに給与が変わらない…」そんな方にはぜひ一度転職活動をしてみることをおすすめします。
「転職活動」なので、いいところがなければ転職しないのももちろんアリです。
あくまで自分の市場価値を確認することが目的です!
僕は転職活動を次の流れで進めていました。
- ビズリーチに登録して職務経歴書の欄を埋める
- 2社転職エージェントに登録
- 5-10人の転職エージェントと面談
- 2人のエージェントに絞る
- 履歴書や面接対策
- 2/5社内定
たくさんの転職エージェントと話すことでより情報を仕入れることもできますし、信頼のおけるエージェントと出会う確率もあげることができます。
無料で相談できるのでかなりハードルが低いのも大きな利点です。
どのエージェントを使えばいいの?というかたはこちらの記事を参考にしてみてください⇩
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まとめ|仕組みを理解し、自分の市場価値を高める行動を起こそう
この資本主義社会で給与を上げるために必要なことは「多くの利益を企業や病院に残すこと」に尽きます。
それを理解できたら次は自身の市場価値を高める行動が必要です。
経営視点で見た場合、理学療法士は安定的に利益を残してくれるので非常に嬉しい存在です。
自分のように医療機器メーカーに転職するのも選択肢のひとつです。(さらに利益を生み出せる企業に挑戦しました)
まとめると以下の通りです。
- 理学療法士の年収は400〜600万円
- 年間売上は約1,000万円
- 経営的視点で見れば安定して稼いでくれる人材
「どうせPTなんて…」と感じているなら、あなたの価値は思っているより高いかもしれません。
ぜひ一度、転職活動をして自身の市場価値を測ってみましょう!


