目次
はじめに。
今回は僕が先輩方から教えていただいた理学療法士にできる、治療技術の基盤となる原則を紹介したいと思います!
これめっっっっっちゃ大事です。
臨床にでて実際に患者さんを見ていけばいくほど、これから紹介する原則に乗っ取っていれば、まず治療方針を間違えることはないのかなと。。
そう言えるくらい大事な考え方ですので、ぜひみなさんの参考になればと!!
よろしくお願いします!!
理学療法士にできることは大きく3つ。
PTにできることは大きく分けて、次の3つです。
①関節可動域の拡大
②筋力増大
③協調動作の獲得
これら3つが複雑に絡み合って、患者さんの問題になっているのです。
逆に言うと、これらの問題点をしっかり改善してあげれば、患者さんの痛みをとること、歩行動作を改善させることが可能だよ、ということです。
何もこれは、整形外科に特化した内容なわけではなくて。
実習に行った時のことを思い出したのですが、脳卒中の患者さんでも、内部疾患の患者さんでもやはりこの3つが問題点になってくるんじゃないかなと。
排痰療法は違うのかな。。
これらを評価して、問題点をしっかりピックアップした上で治療に当たっていくことが大切になります。
可動域?筋力?どちらが優先順位高いの?
結論から言います。
可動域です。可動域が筋力よりも治療の優先順位は高いです。
その理由として、筋肉というのは伸び縮みができて初めて、筋出力が担保されます。
筋トレでもフルレンジを意識してとか言ったりしますが、それと同じです。
全関節においてこれは言えると考えています。
筋肉が伸び縮みできるだけの可動域がある=それだけ組織の柔軟性があるとも捉えられるので、痛みの改善にも繋がることが予測されます。
膝屈曲0ー90度の間で伸展するより、0ー130度で伸展した方がなんか筋力でそうじゃないですか?
サッカーの蹴る動作でも、90度の方が筋力強いならあんなに膝を大きく曲げたりしないわけで。。
ここは必ず可動域です。かなり意識して欲しいポイントです。
理学療法士に対処できる疼痛とできない疼痛。
ここでは大きく2つに区別することができます。
・機械的ストレス:関節機能の破綻によって生じる疼痛
・化学的ストレス:炎症反応による疼痛
化学的ストレス:炎症反応に対してできること。
外傷後や術後に生じる炎症は、基本的に体の臓器(組織)が損傷した際に生じます。
皮膚なんかでも紫外線に晒していると炎症が起きているそうです。
その炎症に対して僕らPTは、RICE(安静・アイシング・圧迫・挙上)くらいしかできません。
炎症が生じている時期に無理に動かそうとして痛みを誘発してしまうと、その炎症が長引いてしまうことになりかねません。。
炎症に対してはRICE、もしくはお医者さんによる注射、くらいのもんかなと。
機械的ストレス:理学療法の対象。
機械的ストレスこそ、理学療法士が対応可能な疼痛になります。
いわゆる関節可動域訓練、筋力訓練などはこちらに対して行われます。
胸椎や股関節が硬く、本来動きにくいはずの腰椎が過剰に伸展や回旋してしまう。これは機械的ストレスと捉えられるでしょう。
疼痛が出ている部位には、必ず炎症、もしくはこのような機械的ストレスが生じていてそれが原因で疼痛が出ています。
しっかり何が原因で疼痛が出現しているかを評価する。これの繰り返しです。
安定した関節。不安定な関節。
最後に関節運動の話です。
関節というのはやはり各関節ごとに正常な軌跡があって、そのとおり動いて初めて綺麗な関節運動をしていると言えます。
関節を区別した考え方が次の2つです。
・stable joint:安定した関節
・instability joint:不安定な関節
安定した関節をstable joint、不安定な関節をinstability jointと言います。
安定した関節は正常な軌跡で関節運動をし、かつ靱帯や関節唇などの静的支持機構も正常な関節のことを指します。
逆に不安定な関節とは、正常から逸脱した関節運動であったり、静的支持機構の破綻のある関節のことを指します。
「不安定性はあるのか」
と聞かれることはよくあるので、必ずここの確認はしましょう。
正直、不安定性のある関節に対してはテーピングや装具を用いて外から固定するぐらいしかできません。あるいは外科的処置(手術)ですね。
このような関節も理学療法の対象とは言い難いでしょう。
たまにカンファレンスで、
「拘縮した組織があるのに不安定性もある」
という評価を目にします。こういう評価は矛盾しているなーと思ったりします。
拘縮をなくした上でぐらぐらになってから初めてカンファレンスで取り上げるべきなのかなと。(PTにできることをなくした上で)
またいずれ話しますが、カーター徴候といって、もともと関節が緩い(手の背屈が半端ない、足首めっちゃ曲がる、肘過伸展やばい)人がいるのも事実なので、その人たちを不安定な関節と表現するのはどうなのかなという疑問も持っています。
今日はここまでです!これからも一緒に体の勉強をしていきましょう!!