はじめに
今回は上腕骨骨幹部骨折の患者さんのレントゲンやCTを先輩と一緒に見てご指導いただきました。
それを整理するだけの回となります。
完全に整形のPTの話ですので、無縁な方も多いと思いますがよろしくお願いします!!
PTの方はぜひ最後までみていってください!!
上腕骨骨幹部骨折とは。
その名の通り、上腕骨の骨幹部が折れてしまう骨折です。
基本的には事故などの高エネルギー外傷、あるいは投球動作などによる過度な回旋ストレスにより生じるとされています。骨幹部は血流が良好なため保存療法が可能な場合は90%程度が骨癒合すると言われています。
今回はその中でも真ん中の部分と近位1/3程度のところで折れていました。
骨折形態はらせん状に折れる骨折で、
「肘あるいは手をついて、外旋ストレスがメインで若干突き上げるようなストレスが加わって折れたんだろう」
と骨折線からその受傷肢位、加わったストレスを予想されていました。
なぜ受傷肢位やストレスを予想する必要があるのか、
もし突き上げるようなストレスが生じていた場合、骨頭により腱板が圧迫され、肩峰下での癒着、拘縮が生じる可能性があるからです。これはあくまでも1例です。
あとは骨折線のところにどの筋肉が付着していて、筋肉が裂けるようなことにはなっていないのかなども考える必要性があります。
肩と肘、どっちが可動域制限残りそう??
今回僕は肩のことばかり見ていました。
レントゲンを見ながらも、三角筋粗面が、、、大胸筋の停止部より遠位での骨折だから、、、後捻角が失われて、、、
などと肩のことばかり評価していたのですが、
「肩が一番問題点になると思ってる?」
と唐突に聞かれ固まってしまいました。
自信なさげに「肘ですかね、、」
と回答すると、そうだと力強い回答が返ってきました。続けて、
「肩はまず関節面は綺麗で骨折線も入っていない、突き上げのストレスもこの感じだと軽度やからそこまで腱板がやられているとは思わない。術侵襲で髄内釘を入れてるからそういう意味では腱板に癒着を残したらあかんけどな」
「この場合は肩より肘やなと、ちょうど橈骨神経溝周囲で折れてるし、上腕筋の起始部も怪しい。肩は肩甲上腕関節さえしっかり動いていれば問題ない。主治医も挙上・外転90度まで許可してくれてるしな。」
こんな感じの回答をいただきました。
実際患者さんが来て評価してみると、肘の可動域は0ー25ー110とかなり制限を認めており、肩は意外と大結節が肩峰下を通過していました。もちろん60度いくかいかないくらいですが。。
最後に。
今回、肩関節の方にばかり目がいってしまっていました。
レントゲンを見るときは俯瞰的に全体を視る必要があるなと思いました。
ある程度視るべきポイントは抑えていたつもりでしたが、まだまだ情報量や考えるべきことが足りていないなと。。
もっと色々なレントゲンを視て勉強したいと思います。
あと先輩に若い患者さんのレントゲンを沢山見ろとアドバイスいただきました。
理由は若い人は骨密度も高く、骨も綺麗でより正常な状態を把握できるからとのことです。
ではまた!!