リハビリテーション

【ストレッチVS筋トレ】ストレッチと筋トレはどちらが重要なのか?現役理学療法士が解説!!

はじめに

スポーツ活動をしている人たちで、ストレッチと筋トレのどっちを先に始めるべき?と悩んでいる方は多いのではないでしょうか?

そこで今回、実際に病院で働いている自分から意見させていただきたいなと思っています。

ぜひみなさんの体づくりの参考にしていただければなと思います!

よろしくお願いします!

結論

まずこの論争の僕なりの結論をいうと、

筋トレよりストレッチの方が大事なんじゃないかなと、こう考えています。

これは

「可動域があっての筋力だから」

こういう理由です。

では詳しく解説していきたいと思います。

可動域>筋力

この考え方は僕の恩師である病院の理学療法士の先生から学びました。

実際これを意識してからというもの、患者さんに対しての治療成績が伴うようになってきたのは事実だと思います。

はる坊

入職時、この考え方に共感して即入職を決めました

入職する前に行った病院見学でもこの考え方に感動して即入職を決めたというのも懐かしいです。

少し話が逸れましたが、

可動域が大事な理由を話していきます。

人工膝関節(TKA)の研究例

人工膝関節を施行された患者さんを対象に、筋力あってのQOL向上なのか可動域あってのQOL向上なのかを研究された例があります。

ここで研究結果として、

膝伸展筋力の変化は膝伸展可動域の変化に影響を受け、さらにSF36(QOLの評価項目)向上にも繋がることが示唆された

と述べられています。

QOL…Quality Of Life の略称、生活の質

図にするとこんな感じ。

要は、

可動域の上に筋力は成り立つ、可動域あってのQOL向上ということを示しています。

その裏付けとなる論文ですね。

可動域が広い方がより強い筋力を発揮しやすい

理学療法士をしていると、学生時代によく目にするグラフがありました。

筋の力学的特性

上記図の要約:

・筋の収縮速度が増すと筋力は小さくなる(ゆっくり動かすほうが強い)

・生体長と呼ばれる長さで最も筋力は発揮できる(アームカールをフルレンジ〔0-140°〕で行うよりも、パーシャルレンジ〔50-100°〕で行うほうが上腕二頭筋の力を発揮しやすい)

・筋肉はより引き延ばされた場合に、生体長以上の張力が生まれる(ちぎれる、肉離れ)

この図は少しわかりにくいので長さの方だけ抜き取ると、

このように、

もし可動域が出ていなくて、筋肉が伸び切っていない場合、この山が小さくなるというふうに考えています。なので筋力の低下に繋がるのかなと。(上記図右下コメント)

以上が僕の可動域の方が筋力より大事だと考える理由になります。

ついでに:日常生活に必要な各関節可動域

ここでも示すように、日常生活に必要な各関節可動域はある程度研究されています。

具体例を下に載せておきます。

リハビリテーションする際にやはりこの可動域までは出さないといけないと思います。

このような研究があることも、可動域を出さなければいけない理由の一つであると考えます。

術後痛みなく生活しようと思うともう少し可動域が必要な気もしますが。。

それはまたの機会に話せればと。

筋トレを否定しているわけではない

ここではっきりさせておきたいのは、筋トレを否定しているわけではないということです。

僕自身も筋トレしてますからね。

「筋トレの下準備として、ストレッチは必ず行いましょう!」

ということです。

柔軟性のある体の方がより強い筋力を発揮できる可能性があるからです。

とても細かい話をすると、

筋トレ前に極度な柔軟を行うのは得策ではないかもしれません。

また別の機会で話しますが、トレーニングのパフォーマンスが低下してしまう恐れがあるからです。

あくまで、風呂上がりに行う柔軟や、日常的な可動域の維持・拡大を指しています。

最後に

いろいろと話してきましたが、ストレッチと筋トレは両方行いましょう!

特に育成年代の皆さん。

部活動やクラブのユースカテゴリーの人たちですね。

予防できる怪我でチームから離脱してそのまま出場機会が減っていく選手は多いです。

プロアスリートの人たちの動画をみていると、やはり柔軟性に長けている選手が多いです。

筋トレに関しては体のレベルもあるので全て見習う必要はありませんが、

柔軟に関しては、トップ選手から取り入れられることの一つだと思います。

真似は決して悪いことじゃないです。

ストレッチの詳細については追って話していきます。

ありがとうございました!じゃあまた!