はじめに
今回は肩関節の外転について考えたいと思います。
外転と一口に言っても、肩全体での外転や肩甲上腕関節(以下GHj)での外転、とくに学校では肩関節全体の外転運動として教えられます。
今日考えたいのはGHjでの外転動作の評価についてです。
GHjの外転時に痛みなく綺麗に大結節が肩峰下を通過できているかを確実に評価する必要があります。
他動的に動かして痛い場合、自動で挙げても痛いに決まっています。
この評価はとても丁寧に行うようにしていますので、肩関節を見る際の一助になれば幸いです。
もちろん僕の考えも完璧ではないので、意見があればぜひご指導をお願い致します。
肩甲上腕関節の外転と肩全体での外転
そもそも肩全体での外転とは肩甲胸郭関節の複合運動のことを指します。
肩関節とはそもそも胸鎖関節、肩鎖関節、肩甲胸郭関節、肩甲上腕関節、第二肩関節からなる関節で、肩甲骨、鎖骨、上腕骨の動きが複合的に行われなければなりません。
上腕骨だけ動いても、肩甲骨だけ動いても、鎖骨だけ動いてもだめというわけです。
今回はその中でも肩甲上腕関節の動きに着目して話していくということになります。
よくpainful arc signのように外転の途中で痛みを呈すしその後は挙がっていく人、あるいはそこから挙げられない人を見るように思います。
これは全て上手く肩峰下を大結節が通過できていないことにより生じています。
もちろん原因は多岐に渡ると考えています。
肩甲上腕関節の評価
原因と言っても拘縮が生じていることもあれば、腱板が機能していないため骨頭を求心位に保つことができず綺麗な外転ができていないこともあると考えています。
他動的に外転はできるが自動的に外転ができないという場合では腱板が機能していないのかなとか考えてます。
あと背臥位でGHjの外転を見るときは、丁寧に肩甲骨を抑え、上腕骨だけ動かしてGHjの動きを評価しています。
このとき同時に肩峰下に指を置き、大結節が肩峰下を通過しているか確実に確認します。
通過できていない症例は、健側と比較すると非常にわかりやすく比較できます。
これかなり大事で、術後とかは特にわかりやすいんですけど、他動的に動かしていて大結節が肩峰下を通過してくるのが触れた段階から、綺麗が外転挙上ができている症例が多い印象です。
もちろん最終挙上域での外旋が足りてなくて挙上まであと一歩の症例も多いですが、、
この現象を考えると、、
肩の挙上が難しい人って大多数が拘縮によって大結節の通過障害が生じている、あるいは筋出力の低下が生じているのではないかと考えるようになりました。
もちろん腋窩神経障害のような麻痺症状とかの患者さんは別として。
もちろん外転だけみていてもだめなわけで、
GHjの内転が健側と差がないか、回旋はどの程度入っているのか、骨頭の動くゆとりはどの程度あるのか、見るところはかなり多いので難しいですが、まず外転がしっかり入ってるかを見るのはとても大事だと考えてます。。
最後に
肩の評価は最初のことは何から見ていったらいいか全く分からずただただ困惑してました。
もちろん神経痛や圧痛所見などもみないといけないわけで、
可動域だけ評価していてもだめなんですけど、
何から見ていいか分からないという人の参考になればなと思ってます!!